ブラック企業の見極め方

Judge a Sweatshop

ブラック企業を
見極めるコツとは?

企業を選択するときに注目すべきポイントは、ずばり「経営者」です。正しい雇用モラルを持っている経営者が運営する会社であれば、ブラック企業にはなり得ないからです。

では、「経営者が正しい雇用モラル観を持っているかどうか」の判断はどのように行えばよいのでしょうか。手段は様々ですが、最も簡単なのは「公開されているデータから良い経営者を見分ける」方法です。そこで、簡単に行える判別法を2つご紹介しましょう。

ひとつめは「経営者の学歴と経歴」から判断する方法です。経営者がある一定水準以上の大学出身者であれば、新卒で高水準の企業に就職しているはずです。しかるべき企業で正しい組織としての空気を体感し、正しい雇用モラルが自然と身についているわけなので、経営者の学歴の高さとホワイト企業度は比例する可能性が高いというロジックです。ただし、これはあくまでも「簡単に」見極める方法の一例にすぎません。実際には最終面接などで経営者の考え方などを伺える機会を作るのがベストです。

ふたつめは「採用活動の方法」から判断する方法です。採用活動にどれだけコストをかけているかで、その会社の採用への真剣度や雇用モラルが見えてきます。例えば、職安であれば無料で求人を出せるので、採用活動費に資金を回す余裕がないほど切羽詰まったブラック企業の求人が紛れ込んでいる可能性が高いといえます。一方、求人サイトの場合は約30万円ほど、人材紹介会社を使うと100~200万円ほどのコストが採用企業側にかかります。そういった意味では、職安に比べると雇用モラルが高くなる傾向にあるため、ブラック的な企業が入る余地はそれだけ少なくなるといえるでしょう。

転職口コミサイトの評価を
鵜呑みにしてはダメ。

転職活動において、クチコミサイトの情報を参考にしている方が多くなってきています。そこでの評価が低いという理由だけで「ブラック企業」というレッテルを貼られているものの、実状はブラックではないという企業が少なからずあるのが現実です。

退職理由の7割近くは人間関係によるものなのですが、それは小規模なグループや部署内の人間関係であることが大半です。つまり、口コミサイトの書き込みは特定の1名がいる部署だけに対する評価の可能性もあるのです。にもかかわらず、口コミサイトではそれが会社全体の風土であるような印象を与えてしまっているのです。
しかし、ある部署に問題社員がいることと、全社的に制度が悪いということはあくまでも別問題です。

本当は良い企業なのに、ごく一部の人間関係のせいで口コミサイトで低評価を受けている企業は多く存在します。
口コミサイトはあくまでも参考程度に留めておいて、本当のところは自分の目でしっかりと見て判断すべきでしょう。
ちなみに、本当のブラック企業は、口コミサイトに悪い書き込みがあれば削除させているようです。

ジェネレーションギャップが
「ブラック企業」の遠因!?

ブラック企業と言えば「パワハラ上司」の存在を避けては通れません。総じて、パワハラを訴える人は「若年層」が多く、上司と言われる人は概ね45歳以上の世代です。

この「上司」世代が社会人になった昭和60年代から平成のはじめ頃は、現在のような雇用モラルはまだ確立されていませんでした。事実、職場ではかなり直接的な罵倒表現が飛び交うのが当たり前の時代だったのです。それから25年以上が経ち、雇用モラルも大きく変わってきましたが、その時代の変化に対応できていない方がパワハラ上司となる傾向が強いようです。

例えば、その当時流行ったファッションを今でもかたくなに着ているような方。このような方は、働き方も、部下への対応も、その当時のものをひきずっている傾向が多々見られます。実際は悪気などなく、むしろ若手社員のためにと思ってやっている行動が現代の実状と乖離しており、パワハラと見なされてしまうパターンが散見されがちです。一方、今の若手社員の打たれ弱さや仕事に対する姿勢も、上司とのギャップが広がる原因の一つになっているのも事実です。

お互いがそのギャップを埋めるべく歩み寄ればパワハラも減るはず。まずは若手社員の方たちから少し歩み寄ってみてはいかがでしょうか。譲歩の姿勢を先に見せておけば、こちらからの要望も通りやすくなります。

東海エリアは
ブラック企業は少ない?

東京や大阪では「会社から帰るのはいつも終電」ということが当たり前のように行われています。

しかし、東海圏の企業では残業しても20時くらいまでというところが大半を占めているようです。実際、名古屋の方の退職理由を聞いてみると、過度な労働による離職というのは少ないように感じます。
それではなぜ、東海エリアでは長時間労働が少ないのかというと、これは東海エリアの産業構造と大きな関係があります。
東海エリアは言わずと知れたものづくり王国であり、製造業の企業が非常に多いという特徴があります。
相対的にみて、飲食・サービス業やIT関連企業をはじめとする非製造業に比べると製造業の方が労務管理がしっかりと整備されている企業が多いのです。
つまり、労務管理が整備された製造業の企業が多いことが、長時間労働の少なさの原因となっているのです。

「長時間労働=ブラック企業」とは必ずしも言えませんが、そういった観点で考えるのならば、東京や大阪に比べて東海エリアは圧倒的にブラック企業が少ない土地柄だと言えるでしょう。