パーソネルの転職知恵袋

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未経験業種・職種への転職を成功させるポイント

皆さまは「今まで働いたことのない業種や職種で働きたい」と思ったことはございませんか?
未経験の業種や職種に転職することを“キャリアチェンジ”と言います。転職するのであれば同じような仕事に就くのではなく、「何か新しいことに挑戦したい」、「何か(業種や職種)を変えたい」と考える人は多くいらっしゃいます。

また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やデータサイエンティストなど、転職市場には新しい職種が続々と登場してきており、今後もキャリアチェンジを希望する人は増えていくと予想されます。

一方、働き方改革や新型コロナウイルス感染症による影響で、転職市場は売り手となる求職者よりも買い手となる企業の募集のほうが多い「売り手市場」となっています。人材獲得のために企業は採用ハードルを緩めはじめており、以前と比べてキャリアチェンジしやすい環境になってきています。

キャリアチェンジに関しては、新しい世界に飛び込みたい気持ちやどうしてもやりたかった仕事をしたいと思う一方で、それ以上に新しいことに対する不安も付きまとい、複雑な感情が入り混じることでしょう。そもそも転職すること自体、新しい業務内容や職場環境、同僚との人間関係に慣れることが必要です。それに加えて、業種や職種が未経験となると、「業務を覚えられるか」、「作業スピードについていけるか」など、また新たな不安が出てくるでしょう。

でも、人生は一度きり。同じ仕事をやり続けることも素晴らしいことですが、キャリアチェンジして未知なる業種や職種にチャレンジしたい気持ちは充分に理解できます。というわけで、ここでは、未経験で転職する環境や心構えについてご説明します。

面接をしている女性
目次
  1. 未経験の仕事に転職する動機や背景は?
  2. 未経験転職の良い点/苦労する点
  3. 「未経験者歓迎」この言葉の意味は?
  4. 人材不足から考える、未経験者でも採用される可能性が高い職業は?
  5. 自分に合った仕事かどうかを事前に確認する
  6. 未経験でも受け入れてもらえるか不安なら
  7. 未経験者が転職を成功させるポイント

未経験の仕事に転職する動機や背景は?

株式会社ビズヒッツの調査によると、30代で未経験の仕事に転職した理由の1位は「やりたい仕事がある」、またエン転職の調査によると、20代30代で未経験の職種にチャレンジしたい理由の1位は「興味のある仕事に挑戦したい」(下図参照)という統計が出ています。

30代で未経験の仕事に転職した理由ランキングの表

株式会社ビズヒッツによる調査から一部抜粋

調査対象:
30代で未経験の仕事に転職をした人

調査期間:
2020年12月03日~15日

調査方法:
インターネットによる任意回答

調査人数:
205人(女性120人/男性82人/未回答3人)
未経験の業種にチャレンジしたい理由の回答グラフ

エン・ジャパン株式会社による調査から一部抜粋

調査方法:
インターネットによるアンケート

調査期間:
2017年10月2日~10月31日

調査対象:
『エン転職』( https://employment.en-japan.com/ )利用者

有効回答数:
8,801名

20代でも30代でも、キャリアチェンジの意志がある人の大半は、前向きな気持ちであることがよく分かる結果となっています。そして、収入面やスキル面での上昇志向もそうですが、とにかく「やりたい仕事に惹かれる」と思う人が多いようです。また、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、この数年でテレワークが普及したことにより、「出社しなくてもできる仕事をしたい」「手に職があればもっと自分の価値を上げられる」といった理由からキャリアチェンジを考える人もいるようです。

株式会社リクルートスタッフィングの調査によると、コロナ禍に転職した人の59.5%がキャリアチェンジをしています。年代別では、20代が52.3%、30代が44.1%、40代が46.2%と、どの年代でも未経験の業種や職種に転職する人の割合が高い結果となっています。キャリアチェンジをした人(59.5%)のうち、業種、職種ともに未経験、つまり前職とはまったく異なる職業への転職は47.5%にものぼります(下図参照)。

キャリアチェンジのグラフ

株式会社ビズヒッツによる調査から一部抜粋

調査対象:
30代で未経験の仕事に転職をした人

調査期間:
2020年12月03日~15日

調査方法:
インターネットによる任意回答

調査人数:
205人(女性120人/男性82人/未回答3人)

また、企業側の視点でみてみると、中途採用は完全に「売り手市場」となっており、今はあらゆる業界で労働者が不足しています。そのため、募集要件から「実務経験」を外し、実務未経験であってもその人材にポテンシャルを感じられれば採用する企業が増えてきています。

こういった背景もあり、最近は未経験の職種や業界への転職も不可能ではなくなってきています。転職を考える際は、未経験の業種や職種だからといって諦めず、チャレンジしてみるのも良いでしょう。



もし、未経験業種への転職を悩んでいるようであれば、ぜひ、パーソネルにご相談ください。転職における最良の相談相手として、しっかりサポートさせていただきます。

未経験転職の良い点/苦労する点

キャリアバイブル(運営会社:株式会社NEXER)の調査によると、キャリアチェンジをしたことがある男女に未経験の職種へ挑戦して良かったことと転職後苦労したことを聞いたところ、未経験の職種に挑戦して良かったと思った人は78.2%、また未経験の職種へ転職して苦労したことがある人は74.3%という結果が出ました。つまり、未経験の転職をして良かった半面、苦労もするということですね(下図参照)。

未経験の職種に関してのグラフ

キャリアバイブル(運営会社:株式会社NEXER)による調査から一部抜粋

調査期間:
2022年2月18日 ~ 2022年2月22日

集計対象:
転職の経験がある全国の男女

※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

ちなみに、未経験の職種へ挑戦して良かった理由の大半は、今までに無かった経験ができたり、新しい世界を知ることができたりした点や、違う仕事のやり甲斐に出会えた点等、未経験の転職にチャレンジしたい理由と同じような結果となっています。
逆に未経験職種への転職で苦労した部分は、最初に思い描いていた理想と現実のギャップを感じるらしく、覚えなければならないことが予想以上に多いことや、前職での常識が新しい職場でも通用するとは限らないこと等が挙げられます。

未経験で転職するわけですから、やはり良いことも苦労することもあるようですね。

「未経験者歓迎」この言葉の意味は?

さて、キャリアチェンジや「未経験者歓迎」と言いつつも、その中には以下3つの意味があることをご存知でしょうか。

全くの未経験者:これまでに一度も就業経験がない人のことを指します。例えば、大学を卒業したばかりの学生や、専業主婦であった人が、初めて正社員やアルバイトとして働く場合などが該当します。

職種未経験者:これまでに別の職種で働いたことはあるが、応募職種に関しては未経験であることを指します。例えば、”営業職から事務職に転職する”場合などが該当します。

業界未経験者:これまでに別の業界で働いたことはあるが、応募業界に関しては未経験であることを指します。例えば、”IT業界から飲食業界に転職する”場合などが該当します。

つまり、「全てが初めて」か「職種が未経験」か「業種が未経験」か、という違いです。この3つの違いを理解したうえで、まずは求人条件や応募資格をきちんと確認し、その企業が指している「未経験者」の意味が上記のどれにあたるか理解してください。そのうえで、未経験者歓迎の企業に応募するようにしましょう。
そして、応募する企業研究を行う段階で、未経験者に対する教育体制が整っているかどうかもチェックしておくと良いです。例えば、下記に該当する企業を探してみるのも良いでしょう。

  • 業種・職種未経験で入社して活躍している先輩社員がいる企業
  • 業種・職種未経験者へのフォロー体制について明記している企業

このような企業であれば、未経験でも採用している実績があるため、比較的安心して応募することができると思います。「業種・職種未経験でも採用してもらえるか不安…」と感じている人は、こういった方法で“企業の探し方”を工夫してみてください。

人材不足から考える、未経験者でも採用される可能性が高い職業は?

就職専門サイト IZANAUの厚生労働省が出している有効求人倍率の数字を基に作成したランキングによると、人手不足の職業上位5つは下記となっています。

  1. 1位:建設躯体工事の職業(組立作業、とび(鳶)・鉄筋組立てなど)
  2. 2位:保安の職業(自衛官・司法警察職員・その他の保安の職業など)
  3. 3位:土木の職業(現場での土砂の運搬、土地の掘削、コンクリートの攪拌(混ぜる作業)、土の地ならし、現場資材の運搬など)
  4. 4位:建築・土木・測量技術者(科学的・専門的知識と手段を応用し、建築・土木・測量における計画・設計・工事監理・技術指導・施工管理・検査などの技術的な仕事)
  5. 5位:建設の職業(構造物の計画設計から工事現場の施工管理、完了後の維持管理など)

主に建設業で人材不足が問題となっています。人手不足=人を探している企業であれば、募集条件の緩和や間口を広げていることが多いため、未経験者でも採用されるチャンスがあると言えます。建設業以外では、介護・医療・福祉サービス、接客、運輸系が人手不足の職業としてランクインしています。自分がやりたいことを軸に企業探しを行うことが前提ですが、未経験だからと言って諦めるのではなく、人材不足の職業が多くあることを理解しておくだけで、挑戦の幅を広げることができます。

自分に合った仕事かどうかを事前に確認する

未経験の業種・職種だからこそ、自分に合った仕事なのか判断がつかないことも不安要素の1つではないでしょうか。応募企業の具体的な業務内容や必要な知識、スキルなどの情報収集をせずに転職活動をすると、企業とのミスマッチが起こりやすくなります。そのため、下記を1つずつ整理しながら、改めて“その企業で働きたい理由”も考えてみてください。

  • 自身の長所と短所を踏まえたうえで、企業に貢献できるか
  • 未経験でも企業に活かせる経験や知識、スキルはあるか
  • 企業が求めている知識やスキルはクリアしているか
  • 自身に足りない知識やスキルを補う努力をしているか
  • 未経験ながら、どんな仕事をしたいのか
  • 入社後の目標

チャレンジしたい業種・職種が決まっても、業務内容や価値観は企業によって異なるため、最終的には「応募企業が求めているポジションや人材」と「自分がやりたいことや活かせるスキル」が合致しているかが重要です。


未経験業種・職種に関する情報の集め方や、「自分がやりたいことをどうやって整理すればよいか分からない…」と感じている方は、ぜひ、パーソネルのキャリアカウンセラーにご相談ください。

未経験でも受け入れてもらえるか不安なら

新しい職場は、誰しも慣れるまでは緊張して落ち着かないものです。業種・職種未経験となると尚更、分からないことが多く、「未経験がゆえに相手にされないのではないか?」「仲間外れにされてしまうのではないか?」等と不安な気持ちが募りますよね。

確かに未経験であればイチから学ぶことや覚えること、先輩に教えてもらう機会が多くなるため、以下の2つがとても重要になってくるでしょう。

  • 人間関係を上手に築いていくこと
  • 周囲の人と密にコミュニケーションをとること

良好な人間関係を築くためには、まずは臆せずに自分から積極的に話しかける意識が必要になります。入社時は分からないことが多く、周りの人に助けてもらう場面が多くあるはずです。業務を円滑に進めるためには、報告・連絡・相談を徹底することから意識してください。そうすれば「何を考えているか分からない」と周囲に思われることもなく、自然と同僚や先輩との会話が増え、人間関係や信頼関係も築いていけるようになります。

未経験者が転職を成功させるポイント

ここまでは、未経験で転職する環境や事前の心構えについてご説明してきました。最後に、未経験者が転職を成功させるための大事なポイントをお伝えします。


企業側が未経験者に対して最も懸念していることは、「やってみたいだけ」という好奇心で応募していないかです。未経験の業種や職種への転職は、新しい環境に飛び込むチャンスであり、ワクワクした気持ちが強いことでしょう。しかし未経験が故に、「興味本位で応募し、イメージと違ったら2,3ヵ月で辞めてしまうのではないか」と企業から疑いの目で見られる可能性があります。だからこそ、ここで大切なのは、「やってみたいだけ」ではなく実績や努力したことが目に見える形でアピールできるかどうかです。例えば、Web業界に挑戦するのであれば、ライティングの勉強を兼ねてブログを始めてみたり、実際にWebサイトを作ってみたりと、具体的な取り組みによって応募企業で働きたい意欲を伝えることができます。

  • いつからこの業界に興味を持ち始めたのか
  • 興味を持ったきっかけは何か
  • どういう仕事内容のイメージを持っているか
  • その企業でどういう目標を達成したいか
  • その企業でどのように貢献できるか

未経験の応募者が大切にすべきは、学ぶ意欲や新しい仕事へチャレンジする覚悟、新卒とは違い、社会人としてのマナーや立ち振る舞いが既に備わっていることを企業側に伝えることです。未経験ではあるものの、企業に活かせる自分の長所や“どのように貢献できるか”を明確にすることで、“企業が求めている人材”であることをアピールできます。経験や知識があってもなくても、企業が「一緒に働きたい」と思える人材であるかが、転職の成功を左右する大事なポイントです。

今回の記事をお読みいただき、ぜひあなたのキャリアチェンジを成功させてください。



「新しい仕事にチャレンジしたいけど、採用してもらえるか不安で一歩が踏み出せない」という方はご相談ください。1人で悩まず、周囲に話してみることで解決策が見えてくることがあります。


名古屋・東海エリア専門のパーソネルでは、数多くの実績を持つキャリアカウンセラーが1人ひとりと向き合いながら、未経験転職における考え方や転職の仕方をアドバイスします。

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