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第二新卒の転職ガイド
第二新卒が初めての転職を考えるとき、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、転職市場の動向やニーズ、転職の際に注意すべきことをまとめています。

目次
第二新卒ってよく聞くけれど、「今の自分が第二新卒に該当するのか分からない」、「第二新卒が何を指すのか実は詳しく知らない…」という方もいるのではないでしょうか。
第二新卒とは、大学や短大、専門学校などの学校卒業後に就職して、1〜3年で退職や転職活動をする人のことを言います。新卒・既卒との特徴に違いがありますので、ぜひ参考までに確認してみてください。
新卒・第二新卒・既卒の特徴と違い
特徴 | 正社員雇用経験 | |
---|---|---|
新卒 | 学校を卒業した年に就職した人 | あり |
第二新卒 | 新卒として正社員雇用された後、1~3年ほどで転職した人・する人 | あり |
既卒 | 卒業して3年以内に、正社員として働いたことがない人 | なし |
日本の転職市場の動向
転職市場では、慢性的な人手不足を背景に、多くの企業が第二新卒や既卒の若手人材を対象に採用の門戸を開き始めています。
厚生労働省の2022年の調べによると、新卒の離職率は高卒で35.9%、大卒就職者は31.5%となっております。およそ3割以上の人が就職から3年以内に早期離職をしていることからも分かるように、各業界で慢性的な人手不足が叫ばれています。さらに深刻な少子化も重なって、労働者人口は減少しています。
そのため、大手企業や中堅企業を中心に、若年層の人材を確保するために、第二新卒や既卒を積極的に採用して定着率を高めようという動きが活発に行われています。
企業が第二新卒の人材を採用するメリット
新卒採用は売り手市場の影響を受け、企業の採用予定人数に達しないケースが増えてきています。そのため、「新卒と同等の意欲と可能性を持った若手人材を確保できる」という観点から、第二新卒にまで採用枠を広げている企業も多くあります。企業は長期的な視点で見て、将来的に会社を引っ張っていく若手人材を今のうちから育成したいと考えているのです。
また、社会人経験のある第二新卒は、新卒に比べるとビジネスマナーや仕事の取り組み方などの基本が身についているため、新卒を採用して一から教育することを考えれば、教育にかかるコストと時間を抑えられるという利点も考えられます。それでいて、社会に出て数年しか経っていない彼らは「特定の業種や会社の考え方に偏っていない」ことから、中途採用社員と比べて自社の社風や業務を受け入れやすいという特性もあります。こういったことが、第二新卒の採用を考える企業の背景と採用メリットといえるでしょう。
企業が第二新卒の人材を採用するリスク
では、企業が「第二新卒の採用」に感じるリスクは何でしょうか。
それは、「初めの会社と同じようにまたすぐに辞めてしまうかもしれない」というリスクです。
企業は第二新卒の応募者に対して、「辞め癖がついているのではないか」という懸念を抱いています。
そのため、第二新卒として転職する際に企業側の不安を払拭するためには、採用担当者に対して「次は辞めない」「この企業で働き続けたい」という印象をどれだけ与えられるかが重要になってきます。
長期的に働く意思があることをどのように企業側に伝えることができるか、パーソネルがその「伝え方」を伝授します。
第二新卒として転職するメリット
それでは、第二新卒として転職することにはどんなメリットがあるのでしょうか。
前述のように、第二新卒の採用は新卒の採用とは異なる基準で選考する企業が多い傾向にあります。そのため、第二新卒の転職には、
- 新卒時に受からなかった企業にもう一度挑戦して受かるチャンスがある
- 今までは未経験がゆえに応募できなかったところに応募できるようになる
といったメリットが考えられます。
業界や企業ごとに判断基準は異なりますが、第二新卒でも社会人経験のなかで培ったスキルや知識をしっかりとアピールし、ポテンシャルの高い人材だと感じてもらえれば、希望する企業に転職することも夢ではないのです。
第二新卒のキャリア上の懸念点
人手不足を背景に第二新卒の採用が珍しくなくなりつつある一方で、新しい職場ですぐに成果を出すにはまだスキル不足、知識が浅い、と判断されがちです。「社会人として、ある程度のマナーは持ち合わせているだろう」と採用してもらえるものの、中途採用で入社した人材のほうが経験やスキルを持っている人が多く、第二新卒は中途採用と比べ、即戦力になりづらいと企業は感じています。
そのため、第二新卒として、人柄や素養、仕事に対するやる気、その企業で働く意欲といった、即戦力とは異なるアピールが大切です。
メリット(積極採用の理由) | デメリット(働く・採用する) | |
---|---|---|
第二新卒側 | 新卒で入った会社の経験を活かして企業選びができる | 努力や継続ができないと思われる |
スキルアップやキャリアアップを目指せる | 入ってみると社風や雰囲気が合わないことがある | |
未経験業界・異業種にチャレンジする幅が広がる | 中途採用よりも実務経験が少ない | |
即戦力として活躍するのが難しい | ||
企業側 | 人材確保ができる | 育成しても退職されてしまうリスクがある |
長期雇用を見込める | 責任ある仕事を任せることに不安がある | |
ある程度のビジネスマナーが身についているので新卒よりも育成にコストがかからない | ||
ミスマッチを起こしにくい |
第二新卒の転職成功のカギ
繰り返しになりますが、第二新卒には、一度社会人を経験しているという強みがあります。
面接時に、新卒との経験の差を自身のスキルとして企業にアピールするためには、次の4つのコミュニケーション力がカギとなるでしょう。
- 礼儀:挨拶や着席、受け答え、相づち、姿勢等、しっかりと礼儀正しくすること
- 会話力:面接官に対してスピーチするのではなく、会話すること
- 口のききかた(敬語):尊敬語、謙譲語等ができていること
- 仕事に向き合う姿勢:自分が何をしたかよりも、会社に何をもたらすか、というスタンス
これらのスキルを面接時にアピールすることで、ビジネスマナーが身に付いていることを企業に印象付けられますが、一方で、一度経験しているはずなのにできていないと、「新卒と同じ」どころか「できない人」と判断されてしまいますので気を付けましょう。
名古屋・東海エリアの方へ:面接での適切な受け答えやマナー、注意すべきポイントが分からずお悩みの方は、ぜひキャリアカウンセラーへご相談ください。「本音」にこだわるパーソネルだからこそ、一人ひとりに親身になってサポートさせていただきます。
第二新卒として転職する前にやるべきこと
さて、いよいよここからは、転職に向けた具体的な心得と準備についてです。
退職してから転職活動をするならともかく、在職中に転職活動をするなら、普段通りの仕事をしながら、それ以外の時間を使ってコツコツと転職先の情報を集めなければなりません。スムーズな転職活動を行うためにも、やはり計画的な転職準備が大事ですね。

転職のスケジュール感を把握する
まずは、転職活動の開始時期と期間を決めましょう。個人差はありますが、応募前の履歴書や職務経歴書の作成から内定後の承諾判断まで、最低でも数か月から半年はかかります。また、第二新卒は新卒時と違い、選考時期や入社時期は企業側の都合によってまちまちです。だからこそ、応募を始める時期、内定をもらう時期など、新しい職場の働き始めから逆算してスケジュールを立てる必要があるのです。自身の生活費やライフスタイルを崩さないためにも、希望の求人を見つけたら、応募に向けて計画的に動いてくようにしましょう。
条件を整理して企業を探す
次は、入社したい企業の探し方や選び方です。応募企業を探すにあたって、自分が転職先に求める条件を整理し、譲れない項目を3つ程度に絞り込むというやり方があります。もちろん、より良い転職先を探したい気持ちはあるでしょうが、あまりにも希望が多すぎると選択肢が少なくなってしまったり、いつまで経っても入社したい企業を絞り込めなかったりして、そもそもの転職活動さえままならなくなってしまいます。ですので、まずは思いつくままに希望条件を出し、譲れない条件と妥協できる条件に振り分けるようにすると、効率良く入社したい企業を探せるようになるでしょう。
企業研究を行う
企業研究といえば、その会社のWebサイトやサービスサイト、ブランドサイト、書籍などに目を通すことだと思いがちですが、ここではちょっと違う方法をご紹介します。Google等の検索で、「(企業名) site:(その企業のWebサイトURL)」と入力してみてください。
例:パーソネル site:https://www.perso.co.jp/
そうすると、検索結果画面に、(その企業のWebサイトURL以外で)その企業名に触れている第三者のWebサイトページが表示されます。それを読んでいくと、その企業の評判や口コミ等が出てくるので、「思っていた会社と違った…」といったミスマッチの防止につながります。もちろん、正当な情報も必ず収集し、その企業をきちんと理解したうえで面接にのぞむようにしましょう。
また、企業研究で得た情報は、志望動機につなげたり、自己PRに盛り込んだりすることで入社意欲が企業に伝わりやすくなりますので、研究と攻略の一石二鳥ですね。
明確な転職理由を考える
第二新卒として転職活動をする際、重視されるのが転職理由です。「企業が第二新卒の人材を採用するリスク」でも触れましたが、「入社してからやりたいことが変わったから」という志望動機や転職理由では、「入社後もまた同じことが起きるのではないか」と企業側に思われてしまい、採用されにくくなってしまうでしょう。
ただ単純に「仕事に興味が持てなかった」「やりたいことが他にある」と思っていたとしても、それをそのまま企業側に伝えるのではなく、どういう言い方や想いの伝え方をすれば良い印象を企業に与えられるのかを事前に考えてから臨む必要があります。転職理由をポジティブな印象にして伝え、マイナスイメージを作らないことが大切なのです。
今の会社に退職を伝えるタイミングは?
転職すると心に決めたからと言って、すぐに会社の上司に伝える必要はありません。労働基準法によって、退職の申し出は2週間前までと決められています。よほど重要なポジションにいるのであれば、仕事内容的にも予め上司に言っておいた方が後々問題になりにくいですし、「立つ鳥跡を濁さず」で退職しやすいでしょう。しかし、第二新卒ぐらいの職歴と仕事内容であれば、退職希望日前の2週間~1ヵ月の間で退職願を提出しても会社にはそこまで負担にならないはずです。
会社というのは、一人が退職した程度では致命的な影響にはならないものです。ですので、当人としては義理や不安はあると思いますが、ちゃんと次の就職先が決まってから満を持して、今の会社に伝えるようにしましょう。むしろ次の就職先が決まっていないのに退職願を提出してしまったら、退職日だけが決まって、働き先が見つからず路頭に迷うなんてことも…。
何より大事なのは、今の会社の行く末よりも自分自身の行く末です。
それでも、会社に退職を伝えるタイミングにお悩みであれば、パーソネルにご相談ください。
自分の市場価値を考える
転職活動は、自分の市場価値が分かるきっかけのひとつとなります。転職活動を機に、今までの経験や得た知識、これまで何を目標に仕事をしてきたのか、そして今後何をしたいのか、といった、これまでの振り返りや将来のビジョンを見直すことができます。そして、働きたいと思っている企業で、今の自分がどのように活躍できるのか、これまで培ってきたスキルをどのように活かし、企業にどうやって貢献できるのかを考えることで、自分の市場価値が分かってくるはずです。
そこから、本当に今の会社を辞めるべきなのかをもう一度整理し、またすぐに辞めてしまうことがないように、真剣に自分のキャリアプランを考え直してみましょう。
転職に戸惑ったらプロに頼ってみる
転職経験がなく、社会人経験が浅い第二新卒の転職。市場ニーズが高いとはいえ、転職活動を始めたからといってすぐに転職先が見つかる訳ではありません。理想ばかり求めても、考えていた結果とは違う現実が待っていることもあります。
自分がこの先どうなりたいか、仕事において何を成し遂げたいのか、転職したいと思ったタイミングを機に、将来のキャリアプランについてじっくりと考えてみることが大切です。正しい選択と判断ができるよう、ひとつずつ整理していきましょう。
名古屋・東海エリアに特化したパーソネルが、キャリアの悩みに多く向き合ってきたプロとして最善の選択をアドバイスします。一人ひとりに親身に向き合うことを信条に、お悩みに寄り添った対応を心がけていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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