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転職に資格必要?

気になる企業が見つかったとき、その企業の募集要項を見て、ショックを受けたことはありませんか?「募集条件に合わない」、「必須条件に、保有していない資格が書かれている」など、応募したい企業の条件を満たせておらず、応募を諦めた経験をお持ちの方もいるかもしれません。

未経験の業種・職種への転職となると、少しでも内定に繋がる可能性を高めようと資格取得を目指す人がいます。しかし、資格取得の目的が、内定のためだけであればおすすめできません。
ここでは、転職と資格取得について、その必要性となぜおすすめできないのかを解説します。転職のために、資格を取得しようと考えている人はぜひご一読のうえ、本当に今取得すべきかどうか考えてみてください。

テキストで勉強する女性の手元
目次
  1. 転職に資格は必要?
  2. 資格よりも自己分析を!
  3. 一部、資格を持っていた方が良いケースも…
  4. 結論:資格がなくても転職できる!

転職に資格は必要?

株式会社ライズ・スクウェアが実施した「転職したいが怖いと感じている人」を対象にした調査では、転職のために行なっていることとして最も多くの人が回答したのは”資格の勉強・取得”でした。

転職に向けてしていることを表す表

株式会社ライズ・スクウェアによる調査から一部抜粋

調査対象:
転職したいが怖いと感じている人

調査期間:
2022年6月22日~28日

調査機関:
自社調査

調査方法:
インターネットによる任意回答

調査人数:
500人(女性311人/男性189人)

回答者の年代:
10代 0.2%/20代 24.6%/30代 39.0%/40代 25.2%/50代以上 11.0%

転職活動には不安がつきものです。特に未経験の業種や職種への転職の場合、その不安はなおさら強くなるでしょう。そのような中で、少しでも不安材料を減らそうと、まず資格の勉強や取得を目指す人が多いようです。

それでは、転職に向けた資格の取得は本当に必要なのでしょうか。結論からお伝えすると、転職のための資格取得は必要ではありません。

こちらの説明にあたってまず先にお伝えしたいのが、資格はあくまで”評価時の加点項目の1つでしかない”ということです。資格を持っているだけで採用とはまずなり得ませんし、資格が無いから不採用ともなりません。

就職に役立つ資格も一部あります。しかし、基本的に資格は、人柄や志望動機、経歴などのその他の項目で評価されたうえでのプラスアルファの1つです。資格を持っていること自体が内定の決め手になることは、まずないと考えましょう。同じ学歴・職歴の人が複数並んだ際に、”資格の有無で優劣が付く可能性がある程度”ととらえた方が良さそうです。

株式会社学情が実施した調査では、採用担当者が業種・職種未経験者を採用する際に重視するポイントとして、人柄・社風との相性という答えが最も多い結果となりました。資格は第9位。資格よりも成長意欲や志望動機、ビジネスマナーなどの人となりや一般教養の方が重要視されていることが分かります。転職者が転職活動の第一歩として資格の取得に励む一方で、企業側からすると資格の優先度はさほど高くありません。資格の有無を確認されることはあっても、採用の決め手とはなり難いのが実情といえます。

業種・職種未経験者を採用する際に重視するポイントを表すグラフ

株式会社学情による調査から一部抜粋

調査期間:
2023年4月7日~2023年4月21日

調査対象:
企業・団体の人事担当者

(※経験者(中途)採用において、業種・職種未経験者を採用している企業が回答)


有効回答数:
297社

調査方法:
Web上でのアンケート調査

※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合あります。

また、メディア「エラベル(https://elabel.plan-b.co.jp/)」を運営する株式会社PLAN-Bが行った、採用担当者へのアンケートによると、「採用選考において求職者の保有資格はどのくらい重視しますか?」という質問に対して、約7割が「重視しない」「あまり重視しない」と回答しました。

採用選考において求職者の保有資格はどのくらい重視するかを表すグラフ

エラベル(ELABEL)による調査から一部抜粋

調査対象者:
現役・元人事で採用業務を経験したことがある方

調査期間:
2022年4月16日~4月18日

サンプル数:
50人

資格は他の評価項目と比較すると、内定の決め手となるわけではなく、資格の有無自体もあまり重視されないことがお分かりいただけるかと思います。

必須条件に資格が含まれる場合はどうか

次に、求人情報の必須条件に”資格”を挙げる企業のケースを見ていきましょう。このような場合も、資格は必要ないのでしょうか。

結論から申し上げると、必須ではありません。資格を持っている人が優遇されることはあるものの、資格を持っていなくても内定に繋がるケースは数多くあります。ですので、企業の募集要項に必須条件として資格が記載されているからといって、諦めるのは早計です。どうしても応募したい企業であれば、自分の強みや経験、実績をアピールすることが転職成功のカギとなり得ることもありますので、まずは挑戦してみましょう。

資格よりも自己分析を!

転職活動は、自分自身を見つめ直すことから始まります。「なぜ転職をするのか」、「転職によって何を叶えたいのか」など、まずは転職に至った経緯を1つずつ整理していきます。そして、自身の強みやこれまでの経験を応募先企業にどのように活かせるかを考えてみてください。まずはしっかりと自己分析を行い、自分自身を客観的に振り返ってみることが大切です。そうすることで、資格やスキルにとらわれることなく、自身の強みで勝負できるような企業へのアピール方法が見つかるかもしれません。

また、履歴書・職務経歴書の作成時や面接の場で、転職理由や自身の強み、これまでの経歴、実績について聞かれた際、しっかりと思いを伝えるためには、あなた自身のこれまでの取り組みの棚卸しができている必要があります。さらに、棚卸しした内容を自分の言葉で伝えるための言語化も欠かせません。

株式会社ビズヒッツが就職・転職活動をしたことがある男女を対象にした調査によると、就職・転職活動時に自己分析を「充分した」と思える人はわずか2割でした。

就職・転職の際に自己分析をしたかを表すグラフ

株式会社ビズヒッツによる調査から一部抜粋

集計対象:
就職・転職活動をしたことがある方

調査期間:
2022年12月18日~2023年1月1日

調査機関:
自社調査

調査方法:
インターネットによる任意回答

有効回答数:
500人(男性220人/女性280人)

回答者の年齢(就職活動時):10代 1.0%/20代 56.8%/30代 28.8%/40代 9.0%/50代~ 4.4%


自分のことは案外分からないものです。自分で認識している長所よりも、他者から見るともっと秀でている点がある可能性もあります。自己分析とは言っても、一朝一夕に行えるものではありません。自身の強みやこれまでの経験、実績などを丁寧に洗い出していく必要があります。



自己分析を手伝って欲しい、アピールポイントを考えるヒントが欲しいという人は、ぜひ名古屋・東海エリアに特化した転職エージェント、パーソネルのキャリアカウンセラー相談をご利用ください。

パーソネルは一人ひとりに親身に向き合い、お悩みに寄り添った対応を心がけています。内容によっては転職をおすすめしないこともあるほど、転職者のメリット優先を第一に考えています。「なんとなく転職を考えるようになった」「今後のキャリアを相談したい」など、些細なご相談でも構いません。転職のプロと一緒に今後のキャリアプランのきっかけを見つけてみませんか。まずはお気軽にご相談ください。

一部、資格を持っていた方が良いケースも…

ここまで、転職活動において資格は必須ではないことを説明してきました。一方で、ごく一部資格を持っていた方が良いケースもあります。それは、以下のような業種や職種を目指す場合です。

  • 資格を持つ人しか対応できない業務(独占業務):医師・薬剤師・弁護士など
  • 就職に役立つ資格がある一部の職種:建築士など

上記については、資格を持っていないと対応ができないこともあり、資格の重要度は高くなります。一方で、上記以外の一般的な業種においては、基本的に資格の有無だけで採用の合否を判断されることは無いと考えた方が良いでしょう。

資格の勉強が業務に役立つケース

資格を持っていることで必ずしも転職活動が有利になるわけではありません。しかしながら、資格取得の過程で学習した内容が実用的なものであれば、転職後の業務に活かせる資格も中にはあります。

実用的かつ人気な資格としては、「社労士」や「日商簿記2級」等が挙げられます。人事部や経理部、法務部などのバックオフィス業務を希望するのであれば、上記のような資格が実業務で活かせる可能性があります。
また、IT系や事務職など、PCを多用する業務において、「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」なども役立ちます。特にWordやExcel、PowerPointなどは、一般的な業務で日々利用する企業も少なくありません。転職後に資格取得の過程でそれらのOffice製品の使い方に慣れておくことで、転職後の業務に活かせることがあります。

グローバル化が進む中、TOEIC等の英語系資格は一般的に人気が高い資格です。しかし、転職時に資格を取る優先度としては高くありません。転職活動において、語学力はコミュニケーションの手段の一つでしかないためです。日本でTOEIC® Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施した調査によると、履歴書に記載できるレベルとして多くの人がTOEIC L&Rスコア700点以上と回答しました。一方で、過去3回の平均点は601.2点です。履歴書に記載できるレベルは、平均よりも100点上回る必要があります。また、TOEICのテストで100点上げるためには、一般的に200〜250時間ほどの勉強時間が必要と言われています。転職活動時に重要なのは、英語力よりも、”英語を使ってどのような仕事ができるか”です。英語はあくまで手段です。手段である英語力を示めすために、転職活動と並行して受験することは得策ではありません。目的が転職なのであれば、英語の資格取得よりも、自己分析や業界の勉強、企業研究など、転職に直結する動きに時間を費やした方が良いでしょう。

履歴書の資格欄はどうする?

資格を持っていない場合、履歴書の資格欄は「特になし」と記載します。
空欄のままにしておくと、資格が無いのか記入漏れなのか、企業側が判断しづらくなります。そのため、記載できる資格が無い場合は、必ず「特になし」と記載するようにしましょう。

リスキリングについて

リスキリングとは、新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させることです。
出典:リスキリングとは|経済産業省

はじまりは、2013年に「ワークフォース2020」というリスキリングのプログラムが開始したところまで遡ります。日本では、2022年秋頃に政府の方針により話題となってから、2023年現在、経済産業省をはじめ、さまざまな政府や企業が急ピッチで取り組みを進めています。そのような社会的背景を受けて、個人でもリスキリングとして学び直しをする人が増えているのです。

株式会社UZUZの調査によると、「リスキリングの目的」に対して、”業務スキル向上、業務効率化のため”と答える人が最多となりました。リスキリングの定義に”新しい職業に就くために”との枕詞もあるため、”転職のため”と回答している人も3番目に多い結果となっています。

リスキリングの目的を表すグラフ

株式会社UZUZによる調査から一部抜粋

調査方法:
Udemy、Youtubeの「ウズウズカレッジ」内でアンケート実施

調査対象:
Udemy、Youtubeの「ウズウズカレッジ」動画教材の利用者

有効回答数:
134名

調査期間:
2022年10月25日~11月25日

※各回答結果の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります。

一方で、同調査のリスキリングを行う上で感じている課題としては、「効率的な学習方法がわからない」との回答に次いで、「何を学習したら良いのかわからない」との回答が2番目に多い結果でした。
学び直しの大切さは理解しているものの、具体的に何をすればいいのかを迷っている人が多いようです。

リスキリングを行う上で感じている課題を表すグラフ

株式会社UZUZによる調査から一部抜粋

調査方法:
Udemy、Youtubeの「ウズウズカレッジ」内でアンケート実施

調査対象:
Udemy、Youtubeの「ウズウズカレッジ」動画教材の利用者

有効回答数:
134名

調査期間:
2022年10月25日~11月25日

※各回答結果の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります。

資格だけでなく、リスキリングにおいても、転職活動を目的として行うのであれば、実施内容の吟味が必要です。闇雲に手を付けるのではなく、今必要なのか、実務に役立つものかどうかなどを慎重に判断しましょう。そして、転職活動と並行して行う必要がなさそうであれば、まずは自己分析や業界分析に力を入れるなど、取捨選択して転職活動を進めていきましょう。

結論:資格がなくても転職できる!

資格はあくまで採用における判断材料の1つに過ぎず、人となりや志望動機などよりも重要度が下がります。あなた自身の強みが企業の求める人物像に合致していることの方が大切です。これまでの経験やあなた自身の価値観を踏まえて、企業が一緒に働きたいと思えるアピールポイントを探してみてください。

転職活動は、応募書類の作成や面接を通して、自分自身を見つめ直すきっかけになります。面接では、退職理由から自身の強み、これまでの経験、今後の目標まで、幅広い内容の質問を受けることがあるため、すぐに言葉で伝えられる準備が必要です。いつ何時質問を受けてもきちんと答えられるように、まずは自分自身についてしっかりと言語化できるようにしておきましょう。



名古屋・東海エリアに特化したパーソネルでは、さまざまな人の転職を見守ってきたプロとして、相談者の人生にプラスになる選択のお手伝いをしています。転職者にとって良き転職パートナーとなれるように、誠心誠意向き合ってお話させていただきます。「何をアピールしたらいいか分からない」「自分の強みを探せない」という人は、ぜひパーソネルのキャリアカウンセラー相談をご利用ください。

転職をしたいけど、何からはじめたらいいの?とお悩み段階でのご相談も大歓迎です。パーソネルでは、カウンセリングであなたの状況をお伺いして、最善の方法を一緒に考えることを信条としています。一緒にあなたの転職を成功させましょう。

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